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Press Release

GEアディティブ、金属3D プリンター製の特注チタン器具を小型犬の骨の補強手術に活用

November 13, 2018

脊椎を特製チタン器具で補強する手術を受けたパグ犬のトプシー

小型犬の特定の犬種には、日常生活に影響を及ぼす体の変化を起こす遺伝的傾向が見られます。ダックスフントやシーズー犬には骨の異常な成長によって前足が外側へ向いてしまう症状があり、パグ犬などのスクリューテイル型の尻尾を持つ他の犬種では骨の奇形により引き起こされる脊椎の異常が生じることがあります。幸いなことに、早い段階で診断された場合、これらの症状は手術で治すことができます。
 

精度の向上、結果の予測可能性の向上、および手術時間の短縮
しかしながら、犬の小さい体や軽い体重が獣医にとって大きな問題となることがあります。このような小動物では、骨に穴を開けたり、切ったり、椎骨を安定させたり、手足の位置を変えたりするための矯正手術は、失敗の余地が無いに等しい困難で複雑なプロセスとなります。
 

英国ブリストルにあるラングフォードベッツの小動物病院に所属する整形外科の獣医であるケビン・パーソン博士と、元同僚で現在ソリハルのウィロウズ獣医センターに務めるトム・ショー脳神経外科医は、金属3Dプリンターを活用したアディティブ製造技術を獣医学の分野に応用し、治療の可能性を広げています。
 

2016年以来、パーソン博士とショー博士は、前足が外側に向いてしまう症状や脊椎異常を患う犬に対して、3Dプリンティングを活用した解剖学的・外科用な補助具(ガイド)、チタン製のインプラントを使用し、日常的に治療を行ってきました。アディティブ製造技術を取り入れることで、外科的な正確さと結果の予測可能性を改善することができただけでなく、手術時間の短縮につながりました。
 

ケビン・パーソン博士は、「獣医学の分野に金属3Dプリンターを活用したアディティブ製造技術を取り入れることで、術前計画の改善、手術時間の短縮、結果の予測可能性を高めることができました」と述べています。
 

この獣医たちのアディティブ製造活用への道は、英ウェールズ地方スウォンジーを拠点とするCBMウェールズとのパートナーシップで実現されました。CBMウェールズはウェールズ大学 トリニティー・セント・デイビッド校により設立された、商業化を重視した先端研究、製造、バッチ製造を行う民間機関です。
 

フィオン・オマリー博士とCBMウェールズの経験豊かなアディティブ製造デザイナーおよびエンジニアが、医学的および運動的機能を回復させるために最適かつ個々の症例に合ったタイプのオーダーメイドの補助具(ポリマーまたは金属製)とチタン製インプラントを創るために総合的なアドバイスを行いました。
 

インプラントは外科医チームの指示のもと、CTやMRIの診断画像データを使用した正確な仕様でカスタマイズ設計されたのち、ウェールズ地方南部にあるCBMの施設に設置されているGEアディティブの電子ビーム方式金属3Dプリンター、アーカム製EBM Q10plusを使って製造されています。 
 

アーカム製EBM Q10plusは特に医療用インプラントの製造に適しており、原料となる金属粉末の扱いを容易にし、製造と製造の間の時間を短くできるよう設計されています。電子ビームによるEBMプロセスは、真空の環境かつ高温で実行されるため、鍛造に匹敵する、高い性能を持つインプラントの製造が可能となります。
 

オーダーメイドのインプラントは、生体適合性が高い(USPクラスVI規格に認定)チタンTi6Al4V ELIで製造されており、米国食品医薬品局(FDA)およびCEマーク(EU 欧州連合加盟国の基準を満たす印)のインプラントに広く使用されています。 CBMは、デザイン、プロトタイピングおよび小ロット製造サービスの提供に関するISO 9001:2015認定、およびカスタムメイドの3Dプリント手術用ガイドおよびインプラントの設計および製造に関するISO 13485:2016およびEN ISO 13485:2016の認定を受けています。
 

シーズー犬のルッカ

Lucca

画像クレジット:ラングフォードベッツ
画像クレジット診断画像/サージカルガイド:CBM ウェールズ

診断内容:シーズー犬のルッカは、1歳のときにケビン・パーソン医師により四肢の変形と診断されました。 CBMはパーソン医師の指示のもと、骨の補正と強化のためのチタン製外科用補助具を設計・製作しました。

位置補正:望ましい手術結果は、外側に角の傾いた足が、もう片方の足の動きに合わせるように再配置するものでした。 下肢をその位置に補正するために、スクリュー軌道は矯正インプラントを所定の位置に保持するように設計されました。

手術用補助具(ガイド):2つの切断面を使用してVカットを誘導し、足を正しい位置に補正しました。下肢の向きを変えるために、4本のKワイヤ-2本の外科手術用補助具と共に足に設置しました。 この外科用補助具の骨との接触面は、曲線構造で骨格を支え、骨の上の正確な位置に留まるようにしました。


インプラント:インプラントを四肢に取り付けるために、インプラントに外科医によって指定された10 x 2.4 mmネジ用の10個のネジ穴が設計されました。 このチタン製インプラントの骨結合面は、解剖学的構造の輪郭を描いているため、骨の上に正確に配置されてフィットします。


パグ犬のトプシー

画像クレジット:ラングフォードベッツ
画像クレジット 診断画像/サージカルガイド:CBM ウェールズ


診断内容:パグ犬のトプシーは1歳のときに、トム・ショー医師により、重度の脊椎奇形に起因する後肢衰弱と診断されました。CBMウェールズは、手術用ドリル補助具と共に使うことができる、安定化を目的としたインプラントを製造しました。

手術用補助具(ガイド):5本のドリルシリンダーを使用してパイロットドリルを正しい軌道に誘導しました。この外科用補助具の骨との接触面は曲線構造で骨格を支え、骨の上の性格な位置に留まるようにしました。

インプラント:インプラント上に10個のネジ穴を設計し、ドリルシリンダーと同じ位置に配置して正しい軌道を確保しました。 このチタン製インプラントの骨との接触面は、脊椎の解剖学的構造の輪郭を描き、骨の上に正確に配置されてフィットするよう設計されました。 

 

アディティブ製造について

アディティブ製造(付加造形、⾦属3D プリンティング)は、その無限の可能性で世界の常識を変えています。すでに製造の現場にディスラプション(革命的な変化)をもたらし、設計や製造工程を加速させています。アディティブ製造技術は、より軽く、強く、効率の良い部品を作ることで製品のパフォーマンスと品質を⾼めます。CAD ソフトをベースに、素材を幾何学的形状に重ね上げ「付加」してモノを作り出す製造⽅法であり、通常の製造において素材を切削し、「除去」加⼯する工程とは真逆の発想です。アディティブ製造技術によって、商品化までの時間短縮、コスト削減、競争率の向上、CO2排出削減等が実現します。

GE アディティブについて

GE アディティブは、ビジネスに革命的な変化をもたらす先駆的なアディティブ製造技術において世界を牽引しています。最先端の⾦属 3D プリンター造形システム、質の⾼い造形素材、およびアディティブ製造における⻑年の知識と経験に基づくコンサルティング・サービスを総合的に提供し、企業が画期的な新製品を開発・製造するための支援をします。アディティブ製品は、企業の様々な設計や製造上の課題を解決し、ビジネスメリットをもたらし、ひいては世界をより良い⽅向に変えていきます。GE アディティブには、⾦属 3D 装置メーカーのコンセプトレーザー社およびアーカム社、素材プロバイダの AP&C社が含まれます。

* GE の商標は 1 カ国もしくは複数の国で登録されている可能性があります。

本件に関するお問合せ先:

クレアブ株式会社 GEジャパン広報担当: 西川・惠木・渡辺
Email: [email protected]
​TEL: 03-5404-0640   FAX: 03-5404-7120 

GEアディティブ
Email: [email protected]


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